順天堂大学

学長 新井 一



 新年明けましてお目出度うございます。
 日本脳神経財団は、一九八一年に初代熊谷洋理事長のもと「脳を守る」という理念を掲げて設立されました。

 その後、第二代佐野圭司理事長を経て、現在は第三代髙倉公朋理事長のリーダーシップのもと、公益財団法人として確固たる地位を築いています。

 その活動には、助成事業、教育事業、社会事業の三本の柱があります。
 助成事業には研究助成と学会助成があり、前者については、様々な脳神経疾患の原因究明につながる基礎的な研究から臨床現場における実際の治療に関する研究まで、その対象の範囲は広く、基礎、臨床を問わず多くの研究者が本財団より貴重な支援を受けています。

 また、教育事業には脳神経外科医向けの研修会があり、年一回のペースで開催されています。
 社会事業としては、年に一~二回全国各地で市民公開講座を開催し、脳神経疾患に関する啓蒙に努めています。
 また、脳神経疾患を一般の方々にやさしく解説することを目途に、本誌「ぶれいん」を発行しています。

 このように、本財団の活動は極めて多様でありますが、「脳の世紀」といわれる今の時代にその存在は益々重要なものになってきました。我が国は超高齢社会に突入しており、脳神経疾患の様相も大きく変貌しています。
 一方で、神経科学の進歩は目覚ましいものがあり、これにともなって臨床の現場では、これまでは治療困難であった疾患の治療が可能になる、あるいは従前に比較して治療成績が向上するといった事例も増えてきました。

 このような背景のなか、脳神経疾患の治療に携わる脳神経外科医、脳神経内科医、さらに脳神経科学の研究に従事する研究者の役割は今まで以上に大きなものになると予測されます。

 本財団の重要な使命の一つは、これらの医師・研究者をサポートし、我が国の医学・医療の進歩に貢献することであります。皆様のご理解、ご支援をよろしくお願い申し上げます。